焦燥と高揚

夜、部屋の片付けをしていたら、電源を入れて放っておいたパソコンのモニターが真っ暗になっているのに気づいた。スリープモードに入ったのかと思いマウスを動かしたが画面は暗いまま。PCが壊れたのかと思い焦燥を覚える。

一方で、アテネオリンピック最後の競技、男子マラソンにも異変が起こった。35キロ過ぎ、先頭を独走するブラジルのデリマ選手を暴漢が襲い、コースから一般客の観戦する歩道に押し出した。デリマ選手は一般客に助け出され、泣き出しそうな表情を浮かべフラフラしながら、また、ゴールを目指して走り出した。

テレビに釘付けになりつつもPCを何回か再起動したが、信号が入ってこないし、モニターの調整ボタンを押しても画面に何も表示されない。マウスをダブルクリックするとi-Tuneから音楽が流れ出すので、どうやらモニターが壊れたらしい。

10秒近くの時間をロスし、また、一旦走りを止められペースが乱れてしまったこともあり、デリマ選手は後続のランナーに抜かれ銅メダルに終わった。後で分かったことだが、この乱入男はF1のコースに入ってきた前科があるらしい。後のインタビューでデリマ選手が「暴漢が乱入してこなければもっといい成績を残せたが、誰も恨んでいない」というコメントをしていた。人権云々の問題もあろうが、この暴漢は今後行動を厳しくマークされるべきではないか。